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                     200の国・地域から約1万6千人の選手・役員が参加し、28競技300種目を17日間にわたって繰り広げたシドニー五輪は1日、閉会式が行われ、その幕を閉じた。 
					19世紀末にアテネで始まった近代オリンピックは新世紀に再びアテネに戻る。 
					《「近代オリンピックの始まり」について英語にて解説》 
					日本が獲得したメダル数は、金5、銀8、銅5の計18個で、前回アトランタの14個を上回った。 
					18個中、女子が過去最多の13個を獲得し、初めて女子のメダル数が男子を上回った。 
					<英語記事:獲得メダル数の推移> 
					マラソンの高橋尚子選手、柔道の田村亮子選手をはじめ、競泳、シンクロナイズド・スイミング、ソフトボールなど、女子選手の活躍が目立った。 
					9月15日の開会式では、韓国と朝鮮民主主義共和国(北朝鮮)の選手が統一旗の下、合同で入場行進した。 
					[「韓国と北朝鮮による合同入場行進の実現」を英会話/ディスカッションのテーマとして] 
					両国選手は大会期間中も選手村や練習場、そして試合会場で交流を深めた。 
					1956年のメルボルン五輪では東西ドイツの統一選手団が実現した。 
					豪州の先住民、アボリジニのキャシー・フリーマン選手が開会式で聖火の最終走者を務めた。 
					「アボリジニに対する懐柔策」などの批判の声もあったが、フリーマン選手は重圧をはねのけて陸上女子400メートルで優勝、豪州国旗とアボリジニの旗を手にしてウイニングランをした。 
					《「豪州のアボリジニ政策」に関して英語論説》 
					ドーピング(禁止薬物使用)汚染の拡大に危機感を持った国際オリンピック委員会(IOC)は、昨年、世界反ドーピング機関(WADA)を設立、今大会もドーピングに対して厳しい姿勢で臨んだ。 
					[「ドーピング汚染の拡大」を英会話のトピックとして] 
					競技後の検査に加えて、開幕前から抜き打ち検査を初めて導入し、陽性判定困難とされていた薬物の検査方法も開発した。 
					ドーピングチェックの強化は競技記録にも影響を与え、陸上では48年のロンドン大会以来、世界新がゼロに終わった。 
					<英会話/ディスカッション:ドーピング規制強化と記録更新> 
					体操女子個人総合で優勝したアンドレーア・ラドゥカン選手(ルーマニア)が、検査の結果、禁止薬物が検出されたため、金メダルを剥奪された。 
					服用した風邪薬に禁止薬物である興奮剤が含まれていた。 
					ルーマニア側は「不注意に過ぎない」と主張、ラドゥカン選手に同情する声もあったが、IOCは強い姿勢を崩さなかった。 
					〔英会話用の口語文体で言い換え〕 
					メダル獲得国の分散化が目立つ大会でもあった。 
					7カ国が五輪初メダルを手にし、金メダルを10個以上獲得した国は初めて二けたの11カ国になった。 
					《「メダル獲得国の分散化の背景」に関して英語記事》 
					新種目の増加やIOCによる小国への援助などが、メダルに縁のなかった国にも、チャンスを広げている。 
					90年代後半以降、日本のスポーツ界を支えてきた企業スポーツの休廃部が相次いでいる。 
					《「企業スポーツの現状」について英会話》 
					今大会、そうした危機的状況は特に企業スポーツに頼ってきた球技の低迷となって表れた。 
					バレーボールは男女とも出場権を逃し、バスケットやハンドボールなども予選を勝ち上がれなかった。 
					これまでの企業に依存したスポーツシステムは根本的な改革を迫られている。 
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